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発 行 | : | 2020年12月20日 |
税込定価 | : | 4,400円(本体4,000円) |
判 型 | : | A5判上製 |
ページ数 | : | 218頁 |
ISBN | : | 978-4-7923-5319-3 |
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■内容紹介 |
《目 次》
はしがき(i) 初出一覧(ix)
序章 1 第1章 責任刑の構造・内容 はじめに3 第1節 責任刑の構造―違法判断と刑量との関係 3 第2節 責任刑の内容―量刑責任を構成する原理とその反映方法 8 1 処罰を要求する原理―刑罰目的としての犯罪予防(8) 2 刑罰目的と量刑との関係(10) 3 責任刑の量定と予防的考慮との関係(13) 4 外在的な制約原理の要否(15) 5 犯罪予防目的と行為者利益の保護(17) (1)犯罪予防目的を違法判断に、責任原理を責任判断に対応させる構想(17) (2)予防的違法論の回顧的構成(22) (3)犯罪予防目的と行為者利益との調整としての責任判断(25) 6 考慮される犯罪予防目的の内容(28) 7 責任原理の観点からの考慮要素―他行為容易性(31) 8 行為者の犯罪性(法益軽視)の度合い(34) 小括 37
第2章 国家機関の違法行為と量刑責任 はじめに 39 第1節 考慮の余地の有無 39 第2節 考慮対象 41 第3節 「国家機関による違法行為」を考慮する趣旨・根拠 42 1 行為者への利益・国家への不利益としての軽減(43) 2 「国家の処罰適格」の減少を理由とした軽減(45) 第4節 「国家の処罰適格」の体系的位置づけ 48 1 体系的位置づけを論じることの意味(48) 2 新たなカテゴリーの創設の是非(48) 3 「責任」要素としての考慮可能性(50) (1)責任概念の弛緩(50) (2)「非難の量」と「刑量」との区別(51) (3)「行為者自身の責任の量」と「問うべき(問い得る)責任の量」との区別(52) (4)刑罰の感銘力の維持(53) (5)責任(犯罪)評価の事後的な変動(54) (6)行為責任論による制約(56) (7)刑の公平性(58) 第5節 具体的な考慮 59 小括 61
第3章 責任刑と特別予防的考慮の量的限界 はじめに 63 第1節 責任刑の確定可能性 65 1 「責任刑は『幅』か『点』か」という問題設定(65) 2 一般予防効果からみた有意性(65) 3 量的判断の不確定性(67) 第2節 責任刑からみた「許容範囲」71 1 責任相当性と刑量の変動の許容性(71) 2 責任刑からの軽減の可否(73) 3 責任刑からの加重の可否(74) 4 上限と下限との非対称性(75) 5 上限・下限と一般予防効果(76) 小括 77
第4章 特別予防的考慮における量刑事情の範囲 はじめに 79 第1節 特別予防的事情の「評価方向」の限定 79 第2節 責任主義からみた特別予防的事情の限定 82 1 特別予防判断の枠組み(82) 2 援用される「行為者の危険性」の限界(86) 3 特別予防的考慮による刑の「加重」(88) 4 被告人の防御権による制約(90)
第5章 量刑事情としての前科 はじめに 92 第1節 加重的考慮の可否 93 第2節 違法性と前科 95 第3節 責任と前科 97 1 責任加重の可否(97) 2 反対動機形成可能性と前科(98) 3 一般予防の必要性と前科(101) 4 反対動機形成への期待可能性と予防原理との衡量を通じた評価(103) 第4節 特別予防判断と前科103 1 再犯可能性と前科(103) 2 特別予防的措置の内容と前科(105) 第5節 各評価段階間の関係106 小括107
第6章 量刑における「基点」概念の意義 はじめに 109 第1節「基点」論の背景 111 1 二重評価禁止原則の拡張(111) 2 「評価方向」確定の要請(113) (1)46条2項の文言と伝統的量刑モデル(113) (2)量刑事由の「存在」と「不存在」の区別(114) (3)BGH大刑事部決定と学説の反応(115) 3 数量化の手がかり(116) 第2節 「基点」に関する諸構想 117 1 理論上の最大値・最小値(117) 2 理論上の平均事例(118) 3 刑法の規定を基準とした標準値(118) 4 経験的通常性に基づく「基点」(122) 第3節 量刑判断における「基点」の意義 125 1 「基点事情」論および「基点事例」論の限界(125) (1)「基点事情」論の有用性(125) (2)「基点事例」論の有用性(127) 2 伝統的量刑モデルの限界(128) 3 二段階的な数量化モデル(128) 4 第一段階における刑量(の幅)の把握方法(129) 5 第一段階における考慮事情(131) 6 第二段階における「微調整」の方法(132) (1)第一段階の評価によって示される基点?(132) (2)類似事例の具体的観察(133) (3)メルクマールごとに設定された「基点」(134) 小括 139
第7章 量刑傾向とその逸脱 はじめに 141 第1節 量刑傾向の拘束力の規範的根拠 142 第2節 「量刑傾向」の多義性―「量刑分布」と「量刑水準」 145 1 「量刑傾向の拘束力は絶対的ではない」という命題の意味(145) 2 量刑傾向の逸脱事例の検討(147) 3 一般予防的考慮と「量刑傾向の逸脱」(149) 第3節 量刑傾向の逸脱と責任主義との関係150 1 量刑分布・量刑水準と責任主義(150) 2 量刑実務における責任刑の超過?(154) 第4節 最判平成26年7月24日の意義155 1 「具体的・説得的根拠」論の趣旨(155) 2 加重方向の逸脱と軽減方向の逸脱(157) 3 死刑選択基準の変容可能性(160)
第8章 裁判例の検討 はじめに 163 第1節 アスペルガー症候群の精神障害を有する被告人に対する量刑 ―大阪高判平成25年2月26日(判タ1390号375頁) 164 1 事実の概要(164) 2 判決要旨(166) 3 検討(168) (1)責任主義違反の主張について(168) (2)量刑不当の主張について(169) 第2節 13歳未満の女子に対する強姦罪の量刑と被害者の意思内容―福岡高判平成28年5月26日(高刑速(平28)号255頁)175 1 事実の概要(175) 2 判決要旨(175) 3 検 討(176) (1)問題の所在(176) (2)「性交が被害者の意思に反しているか否か」の量刑上の重要性(177) (3)本判決の解釈を前提とした場合の帰結(180) (4)「加重事由の不存在」と「軽減事由の存在」とを区別する可能性(182) (5)「性交が被害者の意思に反しているか否か」の認定そのものを回避する途について(183) 第3節 現住建造物等放火罪の量刑において、(重)過失致死として起訴されていない死亡結果を考慮することの可否 ―最決平成29年12月19日(刑集71巻10号606頁) 185 1 事実の概要(185) 2 決定要旨(186) 3 検 討(186) (1)問題の所在(186) (2)本罪の情状を推知する資料としての考慮(186) (3)現住建造物等放火と死亡結果惹起との罪数関係(188) (4)法定刑の合理的な説明(189) (5)被告人の防御権の保障(191) (6)予見可能性の要否(192) 第4節 廃棄物処理法における不法焼却罪の量刑と公共の危険 ―広島高判令和元年7月18日(裁判所ウェブサイト) 194 1 事実の概要(194) 2 判決要旨(195) 3 検 討(196) (1)問題の所在(196) (2)放火罪・失火罪の存在(197) (3)法定刑の比較(197) (4)構成要件の保護範囲(198) (5)本罪が予定する侵害態様(199) (6)放火罪・失火罪としての処罰(201) (7)本判決の意義(202)
終章 203
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