親権の行使とその可罰性
新刊

親権の行使とその可罰性

杉本拓海 著
定価:4,070円(税込)
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  • 発行:
    2025年03月10日
  • 判型:
    A5判上製
  • ページ数:
    176
  • ISBN:
    978-4-7923-5441-1
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《目 次》

はしがき(ⅰ)

はじめに   1

第1章 我が国における議論

第1節 刑法35条による正当化   3

第2節 民法上の「懲戒権」、「親権」   4

 第1款 旧民法における懲戒権   4

 第2款 明治民法における懲戒権   6

 第3款 平成23年改正前の懲戒権   7

 第4款 平成23年改正   8

 第5款 前民法に関する議論   10

 第6款 児童虐待防止法の改正   11

 第7款 令和4年の民法改正(親権・懲戒権規定)の経緯   13

 第8款 懲戒権規定の削除と民法821条(子の人格の尊重等)   19

  第1項 懲戒権規定の削除(19)

  第2項 民法821条(子の人格の尊重等)(20)

  第3項 民法821条の小括(23)

 第9款 親権・監護教育権   25

  第1項 親権の義務性(25)

  第2項 誰に対する義務か(27)

  第3項 監護及び教育の意義(28)

  第4項 監護及び教育の意義についての検討・考察(29)

 第10款 親権の行使として許容される範囲の逸脱と刑法上の違法性の阻却   30

第3節 被害者の承諾による構成   32

第4節 親の監護教育上の措置の可罰性の範囲に影響を及ぼしうる事項   33

第5節 小括   35

 

第2章 教師の懲戒権

第1節 教師の懲戒権と体罰   37

 第1款 教師の懲戒の意義   37

 第2款 教師の体罰の意義   38

 第3款 戦前・戦後における教師の懲戒権及び体罰禁止規定   39

第2節 親の懲戒権と教師の懲戒権   41

 第1款 裁判例からみる親の懲戒権と教師の懲戒権の関係性   41

 第2款 学説からみる教師の懲戒権の法的根拠と親の懲戒権の関係性   43

  第1項 教師の懲戒権は何に由来するか(43)

第3節 裁判例における懲戒権と体罰の範囲   54

 第1款 大阪高裁昭和30年5月16日判決(刑事事件)   54

 第2款 東京高裁昭和56年4月1日判決(刑事事件)   55

 第3款 最高裁平成21年4月28日判決(民事事件)   57

 第4款 桜宮高校体罰死事件   61

 第5款 平成24年以降の裁判例の傾向   61

第4節 小括   65

 

第3章 ドイツにおける議論

第1節 本章の目的   67

第2節 懲戒権に関する民法改正とその経緯   68

第3節 2000年改正民法1631条2項   70

 第1款 民法1631条2項1文   70

 第2款 民法1631条2項2文   72

  第1項 体罰(72)

  第2項 精神的侵害(72)

  第3項 その他の屈辱的な措置(73)

第4節 懲戒権に関する学説上の解決策及びその批判   74

 第1款 民法1631条2項を基本法違反により無効とする見解   74

  第1項 見解(74)

  第2項 批判(74)

 第2款 親の措置が「屈辱的」である場合のみ構成要件該当性を認める見解   75

  第1項 見解(75)

  第2項 批判(77)

 第3款 親の措置の目的を教育目的と監護目的に分ける見解   78

  第1項 見解(78)

  第2項 批判(80)

 第4款 緊急避難(刑法34条)による違法阻却を認める見解   81

  第1項 見解(81)

  第2項 批判(82)

 第5款 刑事不法阻却による解決を図る見解   83

  第1項 見解(83)

  第2項 批判(85)

 第6款 手続的解決を図る見解   86

  第1項 見解(86)

  第2項 批判(86)

第5節 各見解の分析と日本法への示唆   87

 第1款 Noakの見解について   87

 第2款 Beulkeの見解について   88

 第3款 Hoyerの見解について   89

 第4款 Heinrichの見解について   91

 第5款 Güntherの見解について   92

 第6款 手続的解決を図る見解について   94

第6節 小括   94

 

第4章 体罰・懲戒等の措置とその可罰性

第1節 本章の目的   97

第2節 監護目的と教育目的   98

第3節 Hoyerへの批判の回避と監護目的・教育目的に関する私見   100

 第1款 「監護」「教育」の定義及び分類に関して   100

 第2款 体罰の相対化が立法者の意思に反するとの批判に関して   101

 第3款 「監護」「教育」と「監督」との関係   102

 第4款 監護・教育の区分についての本稿の立場によるケースの分類   106

第4節 監護教育権の行使による違法性の阻却と親権者の主観   108

 第1款 監護教育権の行使による違法性の阻却   108

 第2款 親権の行使と親権者の主観   109

第5節 「体罰」該当性について   112

 第1款 体罰の意義   112

 第2款 体罰該当性についてのケースの検討   114

第6節 監護・教育に必要な範囲外の軽微な措置について   115

 第1款 構成要件段階での可罰的違法性について   115

 第2款 監護・教育目的と可罰的違法性   116

 第3款 違法性段階での可罰的違法性の阻却(超法規的違法阻却事由)について   118

第7節 監護・教育の範囲に関して   119

 第1款 監護・教育目的がもたらす効果   119

 第2款 監護及び教育に必要な範囲   121

  第1項 民法820条と正当行為による違法阻却(122)

  第2項 精神的苦痛を与える措置とそれによって侵害される利益(123)

  第3項 監護・教育による利益と義務(128)

  第4項 監護及び教育に必要な範囲の判断(130)

第8節 責任に関する若干の検討   131

第9節 小括   132

 

第5章 子に対する軽微な有形力行使に関する近時の裁判例の傾向

第1節 本章の目的   135

第2節 暴行罪の構成要件該当性と違法阻却事由   135

 第1款 暴行罪の構成要件該当性   135

  第1項 暴行罪における暴行の意義(135)

  第2項 軽微な有形力行使についての学説(136)

 第2款 正当行為としての有形力の行使   137

 第3款 考慮要素の判断位置についての裁判例の傾向―構成要件か違法性か   137

  第1項 有形力の行使に関する裁判例の傾向(137)

  第2項 裁判例の傾向についての若干の検討(140)

第3節 裁判例における構成要件該当性の判断について   141

 第1款 幼児に対する有形力行使が問題となったAグループに属する近時の裁判例   141

  第1項 赤の他人が注意のために有形力を行使した事案:福岡高裁令和3年判決(141)

 第2款 幼児に対する有形力行使が問題となったBグループに属する近時の裁判例   144

  第1項 保育士が監護及びしつけの目的で有形力を行使した事案:福岡地裁令和4年5月10日判決、福岡高裁令和4年12月7日判決(144)

  第2項 父親がしつけ目的で有形力を行使した事案:仙台地裁令和2年判決(145)

  第3項 母親が監護名目で有形力を行使した事案:東京地裁立川支部令和4年3月17日判決、東京高裁令和4年9月30日判決(146)

 第4節 裁判例における違法阻却事由の判断について   151

  第1項 保育士が監護及びしつけの目的で有形力を行使した事例:福岡地裁令和4年判決、福岡高裁令和4年判決(152)

  第2項 父親がしつけ目的で有形力を行使した事案:仙台地裁令和2年判決(153)

  第3項 母親が監護名目で有形力を行使した事例:東京地裁立川支部令和4年判決、東京高裁令和4年9月30日判決(154)

第5節 小括   158

おわりに   161