
現代人身損害賠償論
村田輝夫 著
定価:5,500円(税込)-
在庫:
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発行:
2025年03月20日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
240 -
ISBN:
978-4-7923-2816-0
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《目 次》
はしがき ⅰ
第1部 現代損害賠償論の課題
第1章 公害健康被害の恒久的救済と損害論の課題 ―スモン被害者の「恒久対策」要求を中心として― 3
1.はじめに 3
2.公害健康被害者の要求と「恒久対策」の意義 4
(1) 公害健康被害者の要求と運動 4
(2) 「恒久対策」要求 6
(3) 「恒久対策」要求の意義と問題点 16
3.「恒久対策」と損害論の課題 19
(1) 人身侵害における損害評価の枠組み 19
(2) 損害評価の理念・規範 23
(3) 被害実態の長期的把握 27
4.むすびにかえて 28
第2章 損害賠償と労災補償給付の「調整」 29
1.はじめに 29
2.近時の裁判例にみる問題点 30
(1) クロム労災事件訴訟第一審判決にみる問題点 30
(2) 三共自動車事件大阪高裁判決の提起する問題点 32
(3) 小括 34
3.労災補償と損害賠償の「調整」をめぐる判例・学説 35
(1) 労災補償責任の構造と損害賠償責任 35
(2) 第三者行為災害における「調整」問題 41
(3) 使用者行為災害における「調整」問題 43
(4) 小括 46
4.むすびにかえて 48
第3章 損害賠償と公害健康被害補償法給付の「調整」 49
1.はじめに 49
2.公害健康被害補償法の法的性格 51
(1) 公害健康被害補償法制定に至るまでの経緯 51
(2) 公害健康被害補償法の法的性格 53
3.公害健康被害補償法給付の損害賠償からの「控除」 60
(1) 公害健康被害補償法における「調整」構造 60
(2) 裁判例の検討 61
(3) 学説の検討 64
(4) 検討 67
4.むすびにかえて 67
第4章 間接被害者の損害賠償に関する一考察 ―「個人企業」の損害について― 69
1.はじめに 69
2.間接被害者の類型 70
(1) 間接被害者の類型 70
(2) 検討 73
3.間接被害者の損害賠償請求に関する判例・学説 74
(1) 裁判例 74
(2) 学説 77
4.間接被害者の賠償額算定に関する労務価額説 81
(1) 労務価額説 81
(2) 裁判例 82
(3) 検討 83
5.むすびにかえて 84
第5章 イギリスにおける過失相殺論研究序説 ―寄与過失論の変遷と1911年海事条約法制定過程を中心として― 85
1.はじめに 85
(1) 「過失相殺」の意義 85
(2) イギリスにおける「寄与過失」 87
(3) 本稿の課題 88
2.コモン・ロー上の抗弁としての「寄与過失」 88
(1) 「寄与過失」の意義 88
(2) 「寄与過失」準則の確立 89
(3) 小括 93
3.1910年船舶衝突の規定の統一に関する条約 95
(1) コモン・ローと商慣習法(law merchant) 95
(2) 船舶衝突に関する統一条約の成立 100
(3) 小括 104
4.1911年海事条約法の成立 105
(1) 産業・交通の発展 105
(2) 海事条約法案 107
(3) 海事条約法の内容 112
(4) 小括 115
5.むすびにかえて 116
第6章 認知症高齢者の鉄道事故と遺族の損害賠償責任に関する覚書 ―JR東海事件を契機として― 119
1.はじめに 119
2.高齢社会と事故 121
(1) 我が国における高齢化の推移 121
(2) 高齢化の推移と本事件 123
(3) 認知症高齢者に関する統計 124
3.訴訟の概要 125
(1) 本訴訟の概要(事実の概要と一・二審判決) 125
(2) 上告審判決要旨 126
4.若干の検討 132
(1) 本事件の特質について 132
(2) 最高裁判決の評価について 134
(3) 鉄道事業者の安全確保義務 135
(4) 自動車事故における「徘徊」ケース 136
(5) 小括 137
5.むすびにかえて 138
(1) 関連訴訟等について 138
(2) 社会全体としての支援の必要性について 138
(3) 民事責任理論の再構築について 140
(4) 超高齢社会に対応した司法制度の構築について 142
第2部 現代民事責任論と損害賠償制度
第1章 原子力損害賠償制度に関する基礎的考察 145
1.はじめに 145
2.原子力損害賠償制度の意義と問題点 147
(1) 原子力法制と原子力損害賠償法 147
(2) 原子力損害賠償法立法段階における対立 149
3.原子力損害の類型論的検討 152
(1) 原因行為による分類 152
(2) 責任分担による分類 153
(3) 国の補償責任の法的根拠 157
4.むすびにかえて 158
第2章 原子力労災と損害賠償に関する基礎的考察 159
1.はじめに 159
2.原子力災害と原子力労災の特質 162
(1) 放射線による影響の発症メカニズム 162
(2) 原子力災害とその評価 163
(3) 原子力労災の特質 167
(4) 被曝労働者保護法制と労災認定基準 169
(5) 許容被曝限度と労災認定基準 171
3.原子力労災の実態 171
(1) 増大する被曝労働 171
(2) 軽水炉の構造的問題 175
(3) 労働者被曝における「二重構造」 176
4.むすびにかえて 178
(1) 原発の事故を誘発する根本原因 178
(2) 原子力労災をめぐる法的紛争 180
(3) 廃炉、放射性廃棄物のスソ切り問題 182
第3章 租税過誤納金返還問題における民事責任論 ―不当利得ないし国家賠償の成否を中心に― 185
1.はじめに 185
2.不当利得による返還 188
(1) 公法上の不当利得ないし行政法上の不当利得をめぐる学説 188
(2) 不当利得の成否をめぐる裁判例の動向 190
(3) 検討 195
3.国家賠償による返還 196
(1) 国家賠償責任の成否 196
(2) 国家賠償責任に関わる裁判例の検討 197
(3) 検討 200
4.寄付・補助による返還 201
5.むすびにかえて 203
第4章 遺伝子実験施設の利用等に対する差止請求 ―バイオハザード問題と差止訴訟等― 205
1.はじめに 205
2.バイオハザード問題と遺伝子実験施設 206
(1) バイオハザードの特質 206
(2) 遺伝子実験に対する規制の現状 208
(3) 裁判例の動向と問題点 212
3.遺伝子実験施設差止訴訟等の動向 213
(1) 遺伝子実験施設差止訴訟等の動向 213
(2) P4施設利用差止等請求訴訟 214
4.むすびにかえて 223
事項索引 225