
科学訴訟と司法審査
裁判所は科学問題にどのように向き合うべきか赤間 聡 著
定価:7,700円(税込)-
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発行:
2025年03月25日
-
判型:
A5判上製 -
ページ数:
356 -
ISBN:
978-4-7923-0739-4
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内容紹介
《目 次》
はしがき i
外国語文献・判例集・法令集略語表 xiii
初出一覧 xiv
序章 1
第1章 行政法上の不確定法概念とその適用について ─現代ドイツ論証理論の視点からみて─ 9
序 9
1.はじめに 12
2.法概念の不確定性一般論 15
2. 1 ケルゼン 15
2. 2 ラーレンツとエンギッシュ 16
3.行政法上の不確定法概念について ─W.イエリネックとそれ以降 19
3. 1 W. イェリネック 20
3. 2 ウレ、バッホフ、ヴォルフ、エームケ 21
4.現代ドイツ論証理論 25
5.コッホの行政法における不確定法概念論 27
5. 1 コッホの法的推論形式 27
5. 2 多義性問題 29
5. 3 W.イエリネックにおける限界領域と曖昧性の特徴 30
5. 4 1971年有害図書判決と予測概念 32
5. 5 価値概念・規範概念について 37
5. 6 小括 39
6.アレクシーの法理論における法解釈、衡量、行政裁量 40
6. 1 法解釈・法適用と価値判断 42
6. 2 価値判断一般の合理化 43
6. 3 法解釈における合理性と不確定法概念 45
6. 4 アレクシーの衡量論 49
6. 5 レーバッハ判決とアレクシーの分析 57
7.裁量瑕疵と裁量審査の論理形式 64
7. 1 アレクシーの裁量瑕疵分類論 67
7. 2 消極審査としての司法審査について 75
第1章総括 81
第2章 科学的判断と法的判断 85
序 85
1.はじめに 85
2.法的判断における科学的判断の位置づけ 87
3.法的判断に科学的判断を取り込む際の問題点 92
3. 1 科学的判断について 92
3. 2 法的判断に科学的判断を取り込む際の問題点 94
4.スペリオル湖汚染裁判 101
第2章総括 106
第3章 科学的判断と行政過程 109
序 109
1.はじめに 110
2.政策と科学との目的手段モデル及びその問題点 113
2. 1 政策と科学との目的手段モデルの問題点1 115
2. 2 政策と科学との目的手段モデルの問題点2 117
3.科学技術規制における行政の役割 119
3. 1 政策と科学をめぐる問題に関する法律学からのアプローチ 120
3. 2 リスク行政の法理論 122
4.行政過程におけるデモクラシー要請 126
5.行政過程でなされる科学的判断の性質 ─食品医薬品局(FDA)の事例─ 130
6.リスク決定に対する司法の対応─アメリカ、ドイツ、日本の判例にみる司法審査抑制傾向─ 136
6. 1 アメリカ 136
6. 2 ドイツ 139
6. 3 日本及び小括 140
第3章総括 142
第4章 環境基準としての規範具体化行政規則 ─判例及び「規範具体化」の意味を中心に─ 147
序 147
1.はじめに 148
2.行政規則一般論 153
3.判例の流れ 158
3. 1 フェルデ判決 158
3. 2 ヴィール判決 161
3. 3 その後の判例の展開 164
4.行政規則分類論と規範具体化行政規則 169
4. 1 オッセンビュールの行政規則分類論 170
4. 2 不確定法概念と解釈行政規則 173
5.規範具体化の意味 175
5. 1 ラーレンツにおける具体化 177
5. 2 エンギッシュにおける具体化 178
5. 3 ウレにおける具体化 180
5. 4 「規範具体化」概念の検討 181
第4章総括 184
第5章 科学技術関連法領域における法律の留保 189
序 189
1.はじめに 190
2.伝統的法律の留保論 192
3.本質性理論 196
4.ヴィール判決とカルカー決定の関係 198
5.行政の機能領域論 203
5. 1 オッセンビュールの法源論 205
5. 2 オッセンビュールの法律の留保論 207
6.若干の検討 210
第5章総括 214
第6章 専門技術的裁量と科学技術的判断に関する行政の優先的判断権の論理 217
序 217
1.はじめに 218
2.ドイツにおける科学技術的判断に関する判断余地論の展開 220
2. 1 初期の判断余地論 221
2. 2 判断余地に関する現代の見解 225
2. 3 リスク行政における裁量の所在 226
3.我が国における裁量論の展開 229
3. 1 戦前の行政裁量論 231
3. 2 戦後の行政裁量論 234
3. 3 裁量審査論への重心の移行 237
4.我が国における科学技術的判断に関する裁量論の展開1 ─阿部説と原田説を中心に─ 241
5.我が国における科学技術的判断に関する裁量論の展開2 ─ドイツの議論導入以降─ 247
6.若干の考察 251
6. 1 要件裁量について 251
6. 2 原発の安全性判断の性質 253
6. 3 判断過程の審査について 256
第6章総括 259
第7章 行政の判断過程における過誤、欠落 ─第一、第三ミュルハイム・ケルリッヒ判決及びもんじゅ判決を中心に─ 263
序 263
1.はじめに 264
2.ヴィール判決とそれ以降の展開 266
2. 1 ヴィール判決における司法審査論 266
2. 2 ヴィール判決以降の調査欠落審査 268
3.第一、第三ミュルハイム・ケルリッヒ判決 270
3. 1 判例の概要 270
3. 2 調査欠落とは何か 273
3. 3 第一M判決及び第三M判決における調査欠落 276
4.原発の安全性に関する二つのアプローチ 279
4. 1 行政側の要件判断とそれに対する司法の視点 280
4. 2 全体としての安全性判断の具体化の論理 282
4. 3 調査欠落と取消事由 283
5.もんじゅ差戻後控訴審判決における過誤、欠落問題 286
5. 1 判例の概要 287
5. 2 判決の論理分析1─「総論」と大枠判断 289
5. 3 判決の論理分析2─安全性判断と結論 293
5. 4 検討 297
第7章総括 306
終章 309
1.司法審査総論 309
2.科学的判断と行政の優先的判断権 312
3.原発訴訟における司法審査 317
参考文献一覧 323
事項索引 335