田畑忍の憲法学説史研究
―佐々木惣一憲法学の継承と発展―後藤光男 著
定価:11,000円(税込)-
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発行:
2025年07月15日
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判型:
A5判上製 -
ページ数:
470 -
ISBN:
978-4-7923-0746-2
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《目 次》
はしがき
第1部 日本の憲法学説史研究序論
第1章 学説史研究の意義と田畑忍憲法学
1 学説史研究の意義 3
2 田畑忍の日本憲法学説史への関心 6
(1)学問としての憲法学(6)
(2)憲法解釈学の位置づけ(7)
(3)田畑忍の憲法学説史理解(9)
(4)日本憲法学説史の整理(9)
3 帝国憲法下の学説史 ―明治維新から帝国憲法の終焉・日本国憲法の制定まで 10
(1)明治維新前の憲法学(11)
(2)明治維新(1868年)後の憲法学(14)
(3)帝国憲法制定当時(1889年)の憲法学(16)
(4)帝国憲法解釈学の生成発展(19)
(5)帝国憲法解釈学の完成から日本国憲法解釈学の勃興へ(29)
4 戦前の「立憲主義」憲法学の歴史的位置づけ 30
5 田畑忍の個別的憲法学説への関心 39
(1)加藤弘之研究(39)
(2)小野梓研究(49)
(3)佐々木惣一研究(55)
第2章 日本国憲法下の学説史
1 戦後憲法学の出発 61
2 社会科学的憲法学の登場 66
(1)戦後初期の憲法学(憲法制定から1968年頃までの憲法学の推移)(67)
(2)1968年頃の憲法学(憲法制定20年後)(69)
(3)1978年頃までの憲法学(憲法制定30年後)と、それ以降(71)
3 社会科学的憲法学の展開 72
(1)宮沢俊義・鈴木安蔵憲法学の継承(72)
(イ)小林直樹 ―理論憲法学と実用憲法学―(75)
(ロ)芦部信喜 ―比較憲法制度論的方法およびアメリカ憲法訴訟論研究―(78)
(ハ)長谷川正安 ―マルクス主義憲法学―(82)
(ニ)渡辺洋三 ―法社会学的憲法学―(86)
(2)社会科学としての憲法学(94)
(イ)奥平康弘 ―歴史科学的方法とアメリカ憲法原理論研究―(94)
(ロ)杉原泰雄 ―歴史的方法に基づくフランス革命史研究―(96)
(ハ)樋口陽一 ―社会経済史的方法による比較憲法研究―(104)
(ニ)影山日出彌 ―憲法学の方法としてのマルクス主義研究―(115)
4 小括 122
第2部 田畑忍憲法学の形成と展開
第3章 修学期の思想形成(1902年から1926年)
はじめに 133
1 少年期 134
2 中学時代 137
3 同志社大学時代 141
4 田畑忍の思想形成(同志社大学卒業後) 147
(1)佐々木惣一の影響(148)
(2)佐々木惣一と京都学派(150)
5 立憲主義学派の源流 ―戦前と戦後― 153
(1)旧歴史学派(153)
(2)立憲学派―京都学派と東京学派(154)
(3)社会主義学派(157)
第4章 同志社大学教員時代前期(1927年から1945年まで)
1 研究者への歩み 161
2 田畑憲法学について 163
(1)田畑忍の国家論(164)
(2)佐々木憲法学の継承(166)
(3)教員時代前期の田畑憲法学(175)
3 「天皇機関説」問題 176
(1)天皇機関説事件とは(176)
(2)大学への波及(181)
4 国体明徴運動と同志社騒動 182
5 憲法論の修正と抵抗 189
(1)憲法論の修正(189)
(2)修正についての評価(191)
(3)戦時下の抵抗(192)
6 戦時下(1935年から45年)の憲法学者 ―宮沢俊義の場合を例に― 192
(1)戦時下の宮沢憲法学(193)
(2)宮沢憲法学の「光」と「影」(198)
7 田畑忍と宮沢俊義の思想形成とマルクス主義 202
第5章 田畑忍憲法学の特質(1946年以降)
はじめに 207
1 非武装平和主義と永世中立論 208
(1)非武装平和主義 ―憲法9条「戦争の放棄」条項の解釈(209)
(2)永世中立論(215)
2 基本的人権と抵抗権論 224
3 憲法改正・改悪峻別論 238
第6章 田畑忍憲法学の学説史上の位置づけ(1)―佐々木惣一憲法学の継承
1 佐々木憲法学とは 255
(1)佐々木の憲法学方法論と憲法解釈学(255)
(2)日本国憲法における佐々木の憲法解釈の限界(259)
2 佐々木憲法学の継承とその問題点 266
(1)佐々木の日本国憲法論 ―帝国憲法論との対比で(267)
(2)佐々木の憲法第81条解釈と「憲法裁判所」(281)
(3)佐々木の憲法第9条解釈と「自衛戦力の容認」(289)
(4)佐々木の憲法第96条解釈と「憲法改正無限界説」(300)
3 結び 310
第7章 田畑忍憲法学の学説史上の位置づけ(2)―憲法学方法論としての歴史的客観主義
1 憲法学の方法論 313
(1)明治憲法下の憲法学(313)
(2)立憲主義学派憲法学の方法論 ―美濃部達吉の場合と佐々木惣一の場合(314)
(3)佐々木憲法学の批判的継承(317)
(4)佐々木憲法学の方法論と解釈の方法(322)
2 田畑忍の憲法学方法論と歴史的客観主義 324
(1)歴史的客観主義(324)
(2)歴史の発展法則と「歴史の進歩」(328)
3 田畑忍の憲法解釈の方法論 335
4 結び ―人権主義・反権力主義・反官僚主義の憲法学 340
第3部 田畑忍憲法学の継承と実践
第8章 田畑憲法学の継承 ―上田勝美と澤野義一
1 上田勝美の憲法改正論と歴史的客観主義 345
(1)憲法改正・改悪峻別論(345)
(2)歴史的客観主義の精緻化(351)
(3)憲法学の研究対象としての「憲法現象」論(364)
2 澤野義一の非武装永世中立論と抵抗権論 374
(1)非武装永世中立論(374)
(2)抵抗権論(386)
第9章 田畑憲法学の政治的実践 ―土井たか子
はじめに 393
1 国会議員初当選まで 394
(1)神戸の開業医の家庭に生まれて(394)
(2)「反戦」の原点となった神戸大空襲(395)
(3)同志社大学・田畑忍との出会い(397)
(4)学者の道から国政の場へ(399)
2 社会党と土井たか子の時代 401
(1)衆議院議員として(401)
(2)委員長就任と社会党の躍進(406)
(3)女性初の衆議院議長へ(410)
(4)社会党から社会民主党へ(414)
3 憲法政治の実践 417
(1)憲法第9条(平和主義)にこだわる(417)
(2)護憲に生きる(425)
(3)女性の権利の確立に向けて(426)
4 女性議員と政治 432
(1)女性の政治参加と女性の過少代表(432)
(2)クオータ制(436)
5 結び 440
(1)36年間の議員生活(440)
(2)憲法行脚の会(441)
(3)終わりに ―「生きることは一すじがよし寒椿」―(443)
田畑忍略歴 445
田畑忍主要著作 446
人名索引 449