《目　次》

　はしがき　i

　初出一覧　xiii

序章　1

　１　本書の問題関心　1

　２　本書の構成　3

　３　今後の展望　5

第１章　倒産手続の手続構造　9

Ⅰ　序　9

Ⅱ　わが国の問題状況の確認　11

　１　最決昭和45年6月24日とその問題点　11

　２　憲法問題と破産手続の正当化　14

　３　検討課題　14

Ⅲ　ドイツ破産手続の基本構造　15

　１　検討の意義　15

　２　KOの基本的立場と普通法破産手続の手続構造　15

　３　KOにおける破産手続の構造　17

Ⅳ　アメリカ合衆国の破産手続と憲法問題　20

　１　検討の基本視角　20

　２　1978年破産法とマラソン判決　22

　３　現行法の基本枠組み　25

　４　スターン（Stern）事件　28

　Ⅴ　陪審裁判を受ける権利　29

　６　小括　31

Ⅴ　破産手続の比較が示唆するもの　31

　１　わが国の破産手続法の比較法的位置付け　31

　２　裁判所の役割　33

Ⅵ　結語　34

第２章　倒産法の基礎理論　35

Ⅰ　序　35

Ⅱ　アメリカ合衆国における倒産の基礎理論　36

　１　検討の視点　36

　２　ジャクソンの議論　37

　３　ジャクソンの理論への批判論　41

　４　ジャクソンの理論の評価　42

Ⅲ　ドイツ破産法・倒産法とその理論的基礎　43

　１　検討の対象　43

　２　ドイツ旧破産法（KO）の下での議論　44

　３　ドイツ倒産法（InsO）の立法と学説の展開　49

　４　ドイツ倒産法の構造的特色　54

Ⅳ　わが国における理論定立の試み　55

　１　わが国の理論の確認　55

　２　比較法研究からの示唆　58

　３　検討　59

Ⅴ　結語　60

第３章　破産債権確定手続の基本構造　63

Ⅰ　序　63

Ⅱ　手続構造に関する基礎的考察　64

　１　2つの最高裁判断　64

　２　破産法の目的と破産手続の構造　67

　３　破産手続の構造と破産債権確定手続　69

　４　小括　71

Ⅲ　配当手続としての破産債権確定手続　71

　１　届出　71

　２　調査手続における認否とその対象　72

　３　異議のない破産債権の確定　73

　４　破産債権確定手続における裁判所の役割　75

　Ⅴ　破産債権の確定とその特殊性　80

Ⅳ　異議者等が複数の場合の訴訟の規律に見る特殊性　83

　１　検討すべき問題　83

　２　判決効の拡張と必要的共同訴訟　84

　３　訴え取下げの可否　85

　４　破産債権査定異議訴訟における訴訟共同の趣旨　86

　Ⅴ　破産債権査定決定手続を経ない場合の規律　87

Ⅴ　結語　87

第４章　破産債務者の法的地位と破産債権確定手続　91

Ⅰ　序　91

Ⅱ　破産債権確定手続と破産者の異議　92

　１　破産債権確定手続の概観　92

　２　破産者を相手方とする破産債権確定訴訟の廃止論　95

　３　ドイツ法における状況　97

　４　比較法からの示唆　101

Ⅲ　破産債権の行使と免責手続　103

　１　免責制度の導入とそれが提起した理論的問題点　103

　２　免責制度の根拠をめぐる従来の議論とその問題点　104

　３　アメリカ合衆国における破産手続の構造と免責制度　108

　４　破産手続の構造と免責制度　110

　Ⅴ　小括　114

Ⅳ　破産者の異議をめぐる手続の構造　114

　１　破産債権確定手続の2つの機能とその評価　114

　２　債権者表にもとづく強制執行の基礎　115

　３　破産者の異議が出された場合の取り扱い　117

Ⅴ　結語　118

第Ⅴ章　裁判上の企業再建手続の構造に関する一試論　121

Ⅰ　序　121

Ⅱ　破産手続の基本構造と企業破産手続の限界　123

　１　問題点　123

　２　倒産主体に関する問題　124

　３　倒産客体に関する問題　126

　４　担保権の取り扱いに関する問題　128

　Ⅴ　企業破産手続の限界　130

Ⅲ　裁判上の企業再建手続の基本的特色　130

　１　裁判上の企業再建の前提：憲法上の保障　130

　２　倒産主体に関する問題　133

　３　倒産客体に関する問題　134

　４　担保権の取り扱いに関する問題　137

Ⅳ　再建計画手続のメカニズム　139

　１　問題の所在　139

　２　再建計画案の作成者とその責任　139

　３　手続における関係人の関与　141

　４　裁判所の関与と役割　142

　Ⅴ　〈遂行可能性〉の2つの概念　145

　６　民事再生手続終結後の裁判所によるコントロール　146

　７　再建計画手続の構造　147

Ⅴ　結語　148

第６章　債権者代位訴訟とその倒産法上の問題点　149

Ⅰ　序　149

Ⅱ　民法改正前の議論状況の確認と評価　150

　１　出発点：最高裁昭和48年4月24日判決　150

　２　判例・通説の形成　152

　３　兼子理論に対する批判　155

　４　その後の展開　158

　Ⅴ　論争の評価　162

Ⅲ　債権者代位権と債権者代位訴訟の基本構造　163

　１　裁判外での行使　163

　２　債権者代位訴訟をめぐる解釈論　165

Ⅳ　債務者の倒産との関連における代位権・代位訴訟　169

　１　問題の再確認　169

　２　民事再生手続が開始された場合の取り扱いについての検討　170

　３　倒産手続との関連で見た債権者代位権の位置付け　171

Ⅴ　結語　173

第７章　再建型倒産処理手続と担保権　175

Ⅰ　序　175

Ⅱ　わが国の倒産法制における担保権の処遇　177

　１　各手続の目的と担保権の具体的取扱い　177

　２　平成倒産法改正と担保権　180

Ⅲ　〈別除権〉と〈更生担保権〉　182

　１　わが国における議論の基礎　182

　２　ドイツ破産法における〈別除権〉の概念　182

　３　わが国における法継受　188

Ⅳ　ドイツにおける〈別除権〉をめぐる新たな展開とわが国の倒産法改正　190

　１　問題　190

　２　ドイツ倒産法の下での状況　191

　３　わが国の倒産法改正の評価　197

Ⅴ　事業継続財産上の担保権の解消をめぐる問題点と解決策　199

　１　民事再生法における物的担保権をめぐる問題点　199

　２　一つの試論　201

Ⅵ　結語　204

第８章　倒産手続における劣後債権の位置付け　207

Ⅰ　序　207

Ⅱ　劣後化される債権　209

　１　劣後的倒産債権と約定劣後倒産債権　209

　２　旧破産法・旧会社更生法における劣後債権の導入　210

　３　約定劣後倒産債権　211

　４　わが国の従来の議論の問題点　212

Ⅲ　比較法からの示唆　212

　１　検討の意義　212

　２　アメリカ合衆国　213

　３　ドイツにおける劣後的倒産債権　216

　４　比較法からの示唆　223

Ⅳ　わが国における劣後債権をめぐる問題　224

　１　検討の出発点　224

　２　債務超過の判断　225

　３　破産配当　226

　４　再建計画手続　227

Ⅴ　結語　229

第９章　会社更生手続の基本構造　231

Ⅰ　序　231

Ⅱ　株式会社の組織と更生手続開始の効果　233

　１　平時における株式会社の組織　233

　２　更生手続開始後の会社の地位　237

　３　係属訴訟の取扱い　242

Ⅲ　手続中における株主の地位　247

　１　（旧）株主の議決権　247

　２　手続開始決定と「債務超過」の判断　249

　３　株主の利害関係人性　250

Ⅳ　更生計画の内容　250

　１　更生計画による組織の再編　250

　２　更生計画案の決議・認可　254

　３　更生計画の遂行　255

Ⅴ　結語　256

【資料】　257

翻訳①　ヴォルフラム・ヘンケル「破産債権確定手続の対象」　259

翻訳②　ヴォルフラム・ヘンケル「執行法と企業法の狭間の倒産法改正」　287

Ⅰ　執行法か、それとも企業法か？　287

Ⅱ　財産上の責任の法としての倒産法　292

Ⅲ　責任実現の機関　293

　１　倒産手続と会社法上の清算　293

　２　自己管理機関の任務と法的地位　295

　３　責任財産の換価方法　297

　４　投票権と多数決　299

Ⅳ　動産担保権　302

参考文献一覧　307

事項索引　319