拘禁刑を考える
新しい刑罰制度は何をもたらすのか指宿 信 監修/城下裕二・丸山泰弘 編
定価:2,200円(税込)-
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発行:
2025年12月24日
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判型:
A5判並製 -
ページ数:
114 -
ISBN:
978-4-7923-5464-0
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《目 次》
推薦の辞 岩井宜 ………… i
はしがき 指宿 信 ………… iii
第1部 論説
これまでの監獄改良・行刑改革の歩み ………… 中島 学 (3)
Ⅰ はじめに ………… (3)
Ⅱ 監獄改良の歩み ………… (4)
1 わが国徒刑の系譜 (4)
2 監獄則の仁愛理念の監獄運営 (6)
3 旧刑法下における監獄運営―中央監獄としての集治監― (6)
4 山縣有朋内務卿訓示(1885(明治18)年)―刑罰による威嚇― (6)
5 不平等条約改正のための監獄改良 (7)
6 北海道集治監における大井上輝前の実践 (8)
7 監獄改良家としての小河滋次郎の取組 (9)
8 小川温監獄局長(検事)等の懲戒主義 (10)
9 有馬四郎助による行刑理念 (11)
Ⅲ 行刑改革の歩み ………… (11)
1 山岡萬之助による刑務所化 (12)
2 近代日本行刑トリオの制定 (13)
3 正木亮(検事)の教育刑:囚人(異常人)の教育/劣等理論 ―強制労働による感化― (14)
4 監獄法運用ノ基本方針ニ関スル件 (15)
5 1966(昭和41)年の監獄法施行規則の全面改正 (16)
6 「監獄法改正の骨子となる要綱」の意義(1980(昭和55)年) (16)
7 刑事施設法案の国会上程と廃案←市民化 (17)
Ⅳ まとめ ………… (18)
拘禁刑施行に伴う課題と期待される変革 ………… 中島 学 (21)
Ⅰ 拘禁刑の課題 ………… (21)
1 刑としての「拘禁」の内容 (21)
2 刑の目的としての「改善更生と社会復帰」 (22)
3 改善指導及び社会復帰に資する「作業」 (22)
4 「指導」の位置づけ (23)
5 刑法と刑事施設収容法の目的規定の異同 (24)
6 教育刑への後退―異常人モデル― (25)
Ⅱ 施設運営上の課題 …………(26)
1 被害者等の心情等の考慮―刑の執行官として異なる役割 (26)
2 作業実施に関する「時間」概念の変更 (27)
3 社会復帰支援規定の意義 (28)
4 施設運営上の課題―「作業」に着目して― (29)
5 改善指導の内容―「改善」モデルの限界― (30)
6 「処遇要領」作成への懸念 (32)
7 刑務官/職員の役割と機能 (32)
8 再社会化を促進するための「拘禁」の解除、意味付けなおし (33)
Ⅲ まとめ―監獄改良、行刑改革に続く第三の変革への期待 ………… (34)
1 刑務所の社会的イメージの改善 (34)
2 「再社会」理念への転換 (34)
3 「更生のための施設内支援計画」への統合 (35)
4 「正義の理論」から「ケアの倫理」へ (35)
5 刑事施設から更生支援施設へ (36)
「拘禁刑」の成り立ち ………… 田鎖 麻衣子 (39)
Ⅰ は じ め に ………… (39)
Ⅱ 諮問の背景 ………… (39)
Ⅲ 部会での審議経過 ………… (40)
1 議論の方法 (40)
2 「矯正に必要な処遇」は刑の内容か (41)
3 制度概要とその変更 (43)
Ⅳ 矯正処遇を「行うことができる」とされた背景 (45)
Ⅴ 矯正処遇を「行うことができる」ことの具体的内容 (50)
Ⅵ 「拘禁刑」の行方 ………… (51)
第2部 座談会
《座談会》新しい拘禁刑によって何が変わるか
ファシリテーター ………… 城下裕二・丸山泰弘
パネリスト ………………… 中島 学・國井恒志・田鎖麻衣子・東本愛香
Ⅰ 座談会の趣旨 ………… (57)
Ⅱ 「作業」と「指導」は刑の内容か ………… (58)
1 自由刑の単一化の議論 (59)
2 刑法12条3項をめぐる議論 (62)
3 処遇プログラムと刑罰 (64)
4 作業・指導の義務付け・強制性の議論 (65)
Ⅲ 量刑判断への影響 ………… (67)
1 刑事裁判における量刑判断のプロセス (67)
2 刑法12条3項「改善更生」という要因の影響 (74)
Ⅳ 今後の施設内処遇の変化 ………… (76)
1 刑法解釈論と実務上の議論の必要性 (77)
2 刑事施設内での処遇プログラム (77)
3 「改善更生を図るため」の意義と「対話モデル」 (83)
4 処遇プログラムの変化 (84)
5 処遇プログラムにおける質的研究の重要性 (87)
Ⅴ 質疑・応答 ………… (88)
Ⅵ おわりに ………… (102)